日比谷カタン@青山:月見ル君想フ(080919)

#9/19(金)青山:月見ル君想フに出演時の日比谷カタンのライブレポートです。

【9/19 日比谷カタン セットリスト】

♪カバー「Strange Phenomena」(Kate Bush)

〜♪「終末のひととき」

〜♪ 「ゼリイ嬢の産卵」イントロからインストヴァリエーション〜

〜♪「ヴィリジアンゼラニウム〜少女緑化計画〜」

MC:イベントタイトルのご紹介とともにご挨拶。自らの服装について「今日はマリンルックで...」と説明。本イベントで4アクト中2回登場し大活躍の石橋英子さんについてしばしコメント。石橋さんは新作アルバムが完成されたそうで、カタンさんもその中の1曲参加されているそうです!詳細についての続報を待ちましょう。そして、なんと「次で最後の曲」と曲紹介。その後もまったりと"録画しておいて途中まで見たテレビ番組"などについてしゃべりながら、イントロに突入。

♪「逆抵牾参る」


鑑賞メモ:
ステージ上の大きなお月さまが特徴の青山"月見ル君想フ"で、まさに"錚々たる"という形容がぴったりのすっごい出演者が目白押しのイベントで、一番手として登場のカタンさん。

カタンさんに月はとってもお似合いですし、月が出てくるオリジナル曲もいくつか思いつくのですが...この日はケイト・ブッシュの「ストレンジ・フェノメナ」のカバーでスタート。女性ボーカリストの中でも女性の神秘性を自らの実存を通して表現した稀有なフェノメノンであるケイト。彼女の作品群においても、特に「女性性」をど真中に据えている、と言える本作...これを男性のカタンさんがカバーしようと発想すること自体がぶっ飛んでる...というのはよく言われる言葉であります。が。そのような「彼の着想における"特異性"」と称される部分というのも、3年も記録をとり続けている筆者には、あくまで「常識的」と呼ばれるフレームワークを前提とした見解のパターンの1つでしかない、という気がしております。果たしてこの日のこの曲のカバーも全編に渡ってカタンさんの美しいファルセットを堪能できる好演でした。こういうときのカタンさんの声については、中性的?と形容するべきなのでしょうか?実際には、その澄んだ美声に性別による分類をあてはめることは筆者には困難でした。伸びやかな響きが、感性の昂りに併せて狂おしくボリュームを上げていく様はまさにルナティック。月下に不思議な妖気が漂い観客を引き込みます。

そこから、新曲「終末のひととき」。妖しい魔性を帯びた世界は、不穏さをたたえたまま、何かを見通してしまっている"かつて少年だった人"の声が語る世界に移行。

その後、インストのヴァリエーションから軽快なマヌーシュテイストの"ヴィリジアン〜"のイントロへ。

まったりとしたMCを挟んで最後には久々に「逆抵牾参る」のノーカットバージョンが登場。踊り子・斑猫が過去を振り返るシーケンスでは、地声の成分が多めのシャンソン風の歌い方になっていました。この歌い方が登場するのは、今回が初めて?だと思います。今までの歌い方も艶っぽく素敵でしたが、シャンソン風の声の張り上げ方では、またちょっと違った迫力が出てこれまた素敵でした。